Biz/Browser HT(Android) ver1.3.8 リリースノート

Biz/Browser HT(Android)をご利用いただき、誠にありがとうございます。 このドキュメントには、Biz/Browser HT(Android)の以前のリリースとの違いなど、 マニュアルには記載されていない重要な情報が含まれます。

今回のリリースと、それ以前のリリースとの比較など、お気付きの点についてフィードバックをお寄せいただければ幸いです。
お寄せいただいたご意見、ご要望は、より良い製品を開発するために活用させていただきます。

制限事項および既知の問題

制限事項
OSによる制約/差異
   以下の機能について、Android上ではWindowsやiOSと挙動が異なる、または正常動作しない事が確認されています。
   ご利用になれない、もしくは正しく動作しませんのでご注意ください。
   
   (1) Biz/Browser HTのプロセスの生存期間について
      ・Androidの仕様上、Biz/Browserが前面に表示されていない状態になった時に
       Biz/Browserのプロセスが自動的に強制終了させられることがあります。

   (2) フォントの差異について
      ・端末内蔵の標準フォントの違いにより、Biz/Browser VやBiz/Browser Mobile、
        Biz/Browser HTの他のプラットフォームと比較して行間や文字幅が異なることがあります。
      ・太字や斜体につきましては端末に該当するフォントが存在する場合のみ適用されます。
      ・下線はBiz/Browser HT(Android)では対応していません。

   (3) 表示の差異について
      ・文字列が表示領域に収まらなかった場合の表示や、ワードラップ処理の結果が、
        Biz/Browser VやBiz/Browser HTの他のプラットフォームと異なることがあります。
      ・使用可能な改行コードはBiz/Browser V、Biz/Browser Mobileと異なり、「\n」または「\r\n」となります。
      ・Biz/Browser VやBiz/Browser Mobile、Biz/Browser HTの他のプラットフォームとは
        GUIの外観がそれぞれと異なることがあります。

   (4) ファイルシステムの差異について
      ・OS間の違いによりドライブやディレクトリの構造が異なりますので、
        絶対パスでのアクセスなどで動作しないことがあります。

   (5) 文字入力に関する差異について
      ・Androidのキーボードの設定によっては、入力文字列の自動修正、スペルチェックなどが行われることがあります。
        この動作はAndroidの設定画面の「言語と入力」→「言語」や、ソフトウェアキーボードアプリの設定などで
        変更することができます。

   (6) OSのバージョンによる差異について
      ・Android 6.0 から追加されたAndroidの設定画面の項目「アプリの権限」で、Biz/Browserが必要な各種機能への権限の許可状態を
       拒否にした場合、その権限を利用する機能は使用不可能となります。
       また、起動時に「ストレージ」「電話の発信と管理」へのアクセス権限を要求します。これを拒否した場合、Biz/Browserは起動せず終了します。
       インストール直後は全ての権限は未許可状態となっていますため、初回起動時にこれらへのアクセス権限を許可する必要があります。
       なお、各権限は下記の用途で利用されます。
       ・ストレージ : 内蔵ストレージや外部ストレージへのアクセスのため
       ・電話の発信と管理 : Android 10未満の端末での端末デバイスID(SYSオブジェクトのDEVICEIDプロパティ値)取得のため
      ・Biz/Browser HT 1.1.0以降、FocusObject.Widthプロパティ、もしくはHeightプロパティが0の場合に、フォーカスが当たらなくなりました。
      ・Android 10より、OSの制約のため端末デバイスID(SYSオブジェクトのDEVICEIDプロパティ値)の取得方法が変更されました。
       端末デバイスIDを用いて端末やユーザの管理などを行っている場合、取得できるデバイスIDが変化する事があるため注意が必要です。
       詳細はBiz/Browser HT CRSマニュアルの「パッケージとクラス」→「Standardパッケージ」→「Rootクラス」→「SYSオブジェクト」を
       ご参照ください。
      ・Android 11より、OSの制約のためBiz/Browserをアンインストールするとブックマークが削除されます。
      ・Android 11より、OSの制約のためBiz/Browserをアンインストールすると端末デバイスID(SYSオブジェクトのDEVICEIDプロパティ値)が変化します。
       詳細はBiz/Browser HT CRSマニュアルの「パッケージとクラス」→「Standardパッケージ」→「Rootクラス」→「SYSオブジェクト」を
       ご参照ください。
      ・Android 11より、Bluetoothや位置情報などの権限を要求する際に、「今回のみ」というオプションが表示されるようになります。
      ・API Version 19以降で、Runtime.ShowCodeScannerメソッドやCodeScannerView.ShowCameraメソッドでカメラの向き(リアカメラ、フロントカメラ)を変更すると
       カメラの映像が表示されなくなる場合があります。
      ・API Version 19以降、TextBox等のキャレットの色はOSのバージョンや端末によって異なります。
      ・Biz/Browser HT 1.2.6より、Android 11以降の端末で、アプリケーション専用のディレクトリ以外に読み書きを行う場合、ユーザーによる許可を取る必要があります。
       FileSystemクラスのMountメソッド、OpenDialogメソッド、SaveDialogメソッドでユーザーの許可を取る画面を表示します。
       また、アプリケーション専用のディレクトリとそれ以外のディレクトリで、ファイルの読み書きの処理が変わります。
       Image.LoadImageメソッド等、画像を扱うメソッドではユーザーの許可を取る必要はありませんでしたが、Biz/Browser HT 1.3.3からはこれらのメソッドでもユーザーの許可が必要になりました。
      ・Biz/Browser HT 1.2.6より、Android 11以降の端末で、Biz/Browser HTにあらかじめパッケージ名を登録したサービスのみBiz/Browserと連携できるように制限されました。
       ExternalServiceクラスやIntent.StartService/StartServiceForResultメソッドで指定するパッケージ名が該当します。
      ・Biz/Browser HT 1.3.3より、Android 13以降の端末で、Runtime.SetBluetoothEnabledメソッドによりBluetooth機能を無効にできなくなりました。
       同様に、メニューの「プリンタ設定」で「SATO SmaPri Library」ダイアログの「切断時デバイスOFF時間」を有効にした場合でも、BluetoothがOFFにならなくなりました。
      ・Biz/Browser HT 1.3.3より、Android 12L(Android API Level 32)以降の端末でZebra RS5100との連携が行えなくなりました。
       Biz/Browser HT 1.3.5でZebra RS5100用のライブラリを更新したため、Android 12L(Android API Level 32)以降の端末でも連携が可能になりました。(ライブラリの更新により、この機能はAndroid 10以下をサポートしなくなりました)
      ・Google Playストアの制限のため、Biz/Browser HT 1.3.3でREQUEST_INSTALL_PACKAGES権限を削除しました。これにより、Biz/Browser HT経由で外部のAPKファイルをインストールすることができなくなりました。

   (7) OS言語設定による差異について
      ・Android OS設定で言語を切り替えた後、Biz/Browserを終了して再度起動するまで
       場合によっては動作が安定しないことがあります。言語を切り替えた場合は必ずBiz/Browserのプロセスを起動し直してください。
       
   (8) OSのバックアップ設定による差異について
      ・HT 1.3.8で、OSのバックアップ設定がオンの場合の動作が変更になりました。OSのバックアップ設定がオンの状態でHT 1.2.3がインストールされていた場合
       HT 1.3.8以降をアンインストールした後に再インストールすると、HT 1.2.3でバックアップされたデータが復元される場合があります。
       バックアップ設定をオフにすると、バックアップされているデータは削除されます。

CRSエンジンに関する制約/差異
      ・内部文字コードにはUnicodeを採用しています。
       また、バイト列と文字列間の変換時はUTF-8を採用しています。
      ・Biz/Designer Mobileによるリモートデバッグ実行時、HttpSession等を使用したHTTPS通信の通信ログはBiz/Designer Mobileに表示されません。
       またリモートデバッグ時のHTTPS通信では、Biz/Designer Mobileのプロキシ設定は無視されます。

GUIオブジェクトに関する制約/差異
      ・DateEditクラス、NumberEditクラスはソフトウェアキーボードからの入力はできません。
        専用の入力ウィンドウを表示、利用して入力します。
      ・NextTabKeyプロパティ、PrevTabKeyプロパティなど、キー操作によるフォーカス制御はできません。
       また、KeyDownイベントは発生しません。
      ・PulldownListクラスのプルダウンリストを開く操作によっては、選択項目の背景に色がつかない場合があります。
       DropdownKeyプロパティで指定したキー(プロパティ未指定時はF4キー)で開く場合は色がつきますが、タップ操作で開く場合は色がつきません。
      ・ハードウェアキーボードからの入力は保証されません。
      ・端末の解像度(dpi値)に応じて、自動的にスケーリング処理が行われます。
       詳細はBiz/Browser HT CRSマニュアルの「Biz/Browserの概要」→「スケーリング動作について」を
       ご参照ください。
      ・端末の解像度(dpi値)の倍率が整数倍ではないとき、FlexCheckButton型のセルの表示文字列が、
        フォントサイズ、Formatプロパティ、セルの値によっては表示が一部欠損することがあります。
      ・端末に付属のボタンによるキー入力を行った際に、Shiftキーといずれかのキーを同時に押しているとき、Shiftキーが押されている扱いにならないことがあります。
          - KeyDownイベントのShiftKeyがfalseになることがあります。
          - AltKeyプロパティでShiftと組み合わせたキーにオブジェクトが応答しなかったり、Shiftと組み合わせていないキーにオブジェクトが応答してしまうことがあります。
          - Shift+Tabキーを押した際に、フォーカスが前ではなく次に移動することがあります。
      ・端末に付属のIMEによっては、端末に付属のボタンによるキー入力を行いInputModeプロパティなどで
        入力を制限されている文字をTextBoxなどに入力しようとすると、すでにTextBoxに入力されている文字がキー押下ごとに消えることがあります。
      ・端末に付属のボタンによるキー入力を行った際に、Biz/Browser HTのアプリが起動している間の最初の1回目のキー押下だけ、
        一部のキー(UP, LEFT, DOWN, RIGHTキーなど)を押しても押したことになっておらず、そのキーの押下による各種操作が行えないことがあります。
      ・ソフトウェアキーボードによっては、InputModeプロパティなどで入力を制限されている文字を入力したときに、
        ソフトウェアキーボードの動作が不安定となることがあります。
      ・Mobile互換モードがオンの場合に、NumberEditクラスオブジェクトに対してObject.Clearメソッドを呼び出した時にNumberEditに表示される内容が、Biz/Browser Mobileと異なります。
      ・Biz/Browser HT 1.3.3以降、PulldownList.OnGetFocusイベントハンドラ内でPulldownListItemクラスオブジェクトの要素数を変更した場合、プルダウンリストの表示がちらつく場合があります。

ハードウェアの機能に関する制約/差異
      ・Runtime.SetCameraOptionメソッドで高解像度で撮影する場合、
       環境によっては非常に高負荷となり動作不能になることがあります。
      ・Runtime.SetCameraOptionメソッドで設定するズーム倍率および撮影サイズは、端末が固有で持つスペックによって
       設定可能な値の上限や精度が変わることがあります。
      ・Runtime.StartCameraCaptureメソッドやMediaRecorderクラスなど、カメラを使用する機能を同時に使った場合の動作は不定です。
	

Biz/Browser HT ver1.3.7 から Biz/Browser HT ver1.3.8 への主な変更点

バージョン
■ APIバージョンが更新されました。
    対応APIバージョンはver.29です。
    変更点などについては下記の関連資料をご参照ください。
    ・API ver.29リリースノート
    
■ 動作環境
    【動作保証OS】
    - Android 14.0

    【動作可能OS】
    - Android 6.0以降

■ 変更履歴
   過去の変更履歴
	
全般
仕様変更
・新しいGoogle Play規約に対応するため、targetSdkVersionを34(Android 14)に引き上げました。#21114
・OSの設定でバックアップが有効になっている場合の動作を調整しました。詳しくは「OSのバックアップ設定による差異について」をご確認ください。#21156
・SQLite3ライブラリを更新しました。#20930
・カメラ、バーコード読取、OCR機能ライブラリを更新しました。#20920
・アーカイバーライブラリを更新しました。#21072
・TIFF画像表示ライブラリを更新しました。#21183
	
障害修正
・文字コード変換処理の不備により、Decryptor.DecryptStringメソッドの複合結果が、暗号化前のデータと一致しない場合がある不具合を修正しました。#21201
	
CSVDocumentクラス
仕様変更
・内部のデータ構造を見直しました。#21127
	
FlexViewクラス
障害修正
・罫線のデフォルトの色が、v1.3.4以前よりも濃くなっている不具合を修正しました。#21136
	
HttpSessionクラス
障害修正
・リダイレクトが発生すると、レスポンスのSet-Cookie情報がリダイレクト先で失われる不具合を修正しました。#21123
	
Intentクラス
障害修正
・EXTOBJ-27例外の説明文中のスペルが誤っている不備を修正しました。#21222
	
LocalDBクラス
障害修正
・Query結果の件数が多いと、端末によってはQueryの実行時に例外が発生する不具合を修正しました。#21180
・CommitメソッドでDB-1例外発生時、Biz/Browserが強制終了したりException.Messageプロパティの文字列が文字化けする不具合を修正しました。#21219
	
LocalDBStatementクラス
仕様変更
・CSVDocument << LocalDBStatementオペレータのパフォーマンスを改善しました。#21163
	
障害修正
・NextメソッドでDB-1例外発生時、Biz/Browserが強制終了したりException.Messageプロパティの文字列が文字化けする不具合を修正しました。#21219